植物、料理、音楽、すべての”好き”が循環する部屋づくり | イエの探求 | UNSTANDARD(アンスタンダード)
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2023.07.7

植物、料理、音楽すべての”好き”が循環する部屋づくり | イエの探求

植物、料理、音楽、すべての”好き”が循環する部屋づくり | イエの探求

植物、料理、音楽、すべての”好き”が循環する部屋づくり | イエの探求

 

一番その人らしさが現れる家の空間。“好き”が詰まった“場”には、ちょっとした工夫や色合わせのこだわりが反映されているはず。そんなそれぞれ違った個性を持つ自宅の内装やインテリアについて話を聞いていく企画「イエの探求」。

今回は、自宅でありながら音楽制作の場として楽しんでいる​​​​元LUCKY TAPESのギタリスト、高橋健介さんの住まいにお邪魔しました。仕事に集中する中で、癒しを与えてくれるのが観葉植物の数々だという。また料理もそうした息抜きのひとつとなり、いまでは食材よりもスパイスの方が多くキッチンに並ぶ。生活と仕事をうまく行き来する部屋づくりのコツを教えてもらった。


ギャラリーのような部屋づくりに

細長い廊下を抜けた先にリビングと高橋さんの音楽制作場所がフラットに広がる。廊下からそこまでクリーンな白を基調にまとめられ、一般的な家づくりに比べて少し非日常的な空間を感じる。

 

「内見に来た時に、壁が全てコンクリートの白塗りでギャラリーのように感じたんですよね。床はもともと普通のフローリングだったのですが、壁と対比した時にむしろ違和感を感じたので、引っ越し前にフローリングを敷き詰めて、白黒を基調とするインテリアにしました」

リビングには憧れだったという円形の黒色のテーブルが置いてある。引越しが決まった時からネットで探したすえに、通常の値段より安く手に入れられたという。

テーブルに合わせて、椅子もお気に入りのイームズで揃えて一緒に新居にやってきた。

もともと高橋さんはヴィンテージ家具が好きなことから、丸みを帯びたアースカラーのものが多かったそうだが、いまの家に引っ越してきてからというもの、できるだけ元の家の雰囲気を活かすように白黒を基調にした家具を意識的に揃えていこうとしている。


生活の癒しとなっている観葉植物とのうまい付き合い方

唯一前の家から共に引っ越してきているのが、窓際に並ぶ観葉植物たち。

コロナ禍を経て、植物を育て始める人は増えたが、高橋さんの場合は、実は幼少期から植物を育てる環境にあったことが影響しているという。

「日当たりと風通しですね。直接日が当たる場所だと、葉っぱが焼けてしまったり、プランターのお皿の部分から熱が上がって土が暑くなってしまうんです。なので、明るい光が当たる程度のところで、水揚げも週に1回くらいにしています。毎日あげると根腐れしてカビが生えちゃうので。

いまでは、ここに置いてある植物全員に水あげする日を決めて一斉に風呂場で行ってますね。もちろんめんどくさいと感じる部分はありますが、それよりも日々の癒しになってます」


音楽制作と意外な接点をもつ料理

観葉植物のほかに、高橋さんの癒しとなっているのが、料理づくり。

これまでツアーやライブ活動で外食をすることが多かった中、コロナ禍をきっかけにライフスタイルが一変した。

自宅でもお店のような美味しいご飯が作れないかと思ったことをきっかけに様々な料理にトライしていったという。

いまではキッチンの棚から冷蔵庫までスパイスの数々が並ぶほどに、あらゆる料理の味付けを市販の調味料に頼らずに一から作れるようになった。

なかでもハマっているのが、カレーづくり。音楽制作と意外な共通点もあるんだとか。

「最初は友達が貸してくれたレシピ本に沿って作っていたのですが、慣れてくると自分なりにちょうどいいスパイスの配分を楽しむようになって。その構成の仕方は、音楽制作においても音の配置のバランスを考えることと似ているんですよね。色々な配分を調節して、100%の合計を作っていくというような過程が一緒だなと。

スパイスでは、クローブという肉の臭みや味の濃い食材とうまく融合するものをよく使います。ハマっている時は、週に2回はカレーを作ってスパイスの消費量も多かったので、いまではインドの食材屋さんでスパイスを袋買いするようにしています」

 

カレーのほかにも、パスタや中華料理、そしてパンも一からこねる。そんなこだわりの料理たちは、月に2〜3回開かれるホームパーティーにて振る舞われる。そんな時に活躍するカウンターキッチンを通して、学生時代にバイトしていた寿司屋の経験から、まるで板前のように寿司を握って出すのだとか。

 

「趣味だからこそ楽しめている部分がありますね。もし完璧を目指すようにプロ意識を突き詰めようとしてしまったら、ストレスが優って続けられていなかったかもしないです。どれも生活の一環として自然に探求できていますね」

制作部屋にちょっとした工夫

そんな趣味を存分に楽しめる開放的なリビングの横には、高橋さんの音楽制作部屋もある。

1日のルーティンでは午前中に食器洗いや洗濯、ランチを終えて、午後から夜の1時まで作業に集中する。壁沿いにある白い板が吸音材として防音と音の反射を抑えてくれるそうだ。

そうした吸音材やちょっとした資材を買いに行く場所として重宝しているのが、ホームセンター。そこでも、ついつい植物を買って帰ってしまうんだとか。

 

「近くのホームセンターに暇さえあれば行ってたのですが、この前改装して植物コーナーが減ってしまって…。でもこの防音材も音楽機材として購入すると5万円するところを、ホームセンターでは一般的に家の壁の間に使う素材として2万円で売っていました。とりあえず困ったら資材屋さんに行くようにしています」


生活に喜びを見出すことは仕事を充実させることでもある

そうした身近な生活圏で気分を豊かにするコツは、フラットな家づくりだからこそ、至る所に散りばめられている。キッチンカウンターに置いてある​​ビクターエンタテインメント*1(以下:ビクター)のシンボル犬でもある「ニッパー」の置物や、レコードもカセットテープも聴けるマルチプレイヤー、その横の収納スペースに飾ってあるレコードなどなど。どれも”好き”が詰まった思い出の品々だという。

「ビクターに所属した時に、関係者へのお披露目会で副社長に『ニッパー』の置物が欲しいんですって言ったらもらえたものです。大切な記念としてキッチンカウンターに飾ってますね」

 

音楽制作におけるインスピレーションも、そうした料理を作っている時、お風呂に入っている時など日常生活からパッと歌詞が思いつくことが多いんだとか。スイッチのオン/オフを無理に作らなくとも、リラックスして趣味も仕事も楽しめる環境こそ、人生を充実させる部屋づくりなのかもしれない。

 

*1ビクターエンタテインメント:総合エンタテインメント企業

NONDESIGN

STAFF
[Text] YOSHIKO KURATA