あなたの “好き”で、暮らしをデザインする「NONDESIGN」。
今回お招きしたのは、カラフルな部屋に住むまちこさん。「よくレトロポップな部屋と言われるけど、実は自分のビビッと来たものを集めたノンジャンルな部屋なんです」と、まちこさん。
ものを選ぶときのこだわりや、インテリアのマイルールについてお聞きした。
自分の「作品」として、インテリアを自由に楽しむ!
イエロー、ピンク、オレンジ、ブルー…ジェリービーンズのような色に満ちたお部屋。まるで80年代のファッション雑誌から飛び出したよう。まちこさんは、実家の6帖ほどの自室を「アトリエ」とし、自分の世界観を表す場として楽しんでいる。
「私にとって部屋は生活空間であり、自分の好きな世界観を表現する作品でもあるんです。『今、こういうものが好き』とか『こういうのが私らしいよね』っていうのを、ディスプレイしながら、確認できる場所なんですよね」
アトリエのテーマは「シンプルモダン」「フレンチガーリー」とその時々によって変化してきた。今のようなカラフルな部屋になったのは、大学生のとき。
「初めは、古着に興味を持ったんです。これまで見たことない、ポップなデザインやカラフルな色使いがいっぱいあって。古着を好きになっていくと同時に、部屋もどんどんポップになっていきました。割と部屋と服の好みが連動してる感じですね」
今の部屋はレトロポップと形容されることが多いが、ミッドセンチュリーの家具、日本の骨董品、北欧や韓国の雑貨など、まちこさんの感性でミックスされた部屋。
「まちこ流」インテリアのマイルール
色をたくさん用いても、ごちゃごちゃとした感じを受けないまちこさんの部屋。どんなマイルールがあるのだろうか。
「家具のフレームなどベースになる部分は白で統一して、小物やファブリックは色で遊ぶようにしています。色が多くても、カオスな感じにはしたくないので」
色選びにもこだわりがあり、自分の中にあるカラーパレットを基準としているそうだ。
「コントラストのある配色がすごく好き。例えば、色相環で見たときに対極にある黄色と青、緑と赤の組み合わせ。同系色でまとめるよりは、いろんな色を入れ込む感じが割と好きかな」
家具や小物の配置の仕方にも、まちこさんのセンスが光る。
「丸や四角など形の違いや、隣り合ったもの同士の色の相性、物の高さや奥行き感とか、ものの置き方・飾り方にはすっごく!こだわりがあって。どこをどうと詳しく言えないんですが、言語化できない美学みたいなものを持っています」
まちこさんの持つ絶妙なバランス感覚、配色センスによりディスプレイされたものたち。だからこそ、カラフルな色が映えて、個性が生きる。「部屋が作品だ」という言葉を裏付けるエピソードだ。
限られた空間で心地よく過ごす、インテリアアイデア
6帖ほどの限られた空間を、どのように活用するのか。ディスプレイ方法にもまちこさんのセンスが光る。
例えば、タフティングパッドを使った方法。好きな形のタフティングパッドを、標本用の虫ピン数本で留めるだけ。画鋲より細い虫ピンを使用することで、賃貸物件でも気にぜずにディスプレイをすることができる。ピンをフック代わりにして、アクセサリーを飾ってもかわいい。しっかりと打ち込めば、ピンが見えることもないため、ポスターやポストカードなどを飾るときにもぴったりだ。
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※タフティング…布の上に数本の毛糸を束ねた房を縫い込み、模様を作る織物の技法
空間が限られているからこそ、見せる服としまう服は分けて収納している。
「部屋にディスプレイされている洋服たちは、見せることも意識して飾っています。柄物のニットは、ハンガーにかけると伸びちゃうし、たたんで積み上げた方がかわいいかなって。クローゼットの中にあるものは、着まわしや使い勝手などの良さを重視した洋服です」
服もインテリアの一部としてディスプレイすることで、どんな服が手持ちにあるのかが一目瞭然になる。ときめきを重視して購入するけれど、似たものは買わないように注意しているそう。
「ディスプレイをするときに、柄とか色が偏りすぎていないかチェックします。意外とそれが自分に今必要か必要じゃないかを判断する軸にもなっていて。例えば花柄のワンピースが何枚もあるから、気をつけようって」
とにかく片付けが苦手というまちこさん。「置くだけ」「かけるだけ」とシンプルな動作で片付けられるように、オープンな収納にしているそう。ピアスやヘアアクセサリーなどは、かわいいモチーフのワイヤーネットなどを利用して見せる収納に。
それでも物が増えてきたときは、フォロワーに格安で譲ったり、フリーマーケットに出したり。大切にしてきたものだからこそ、大事に使ってくれる人に譲りたいとのこと。
「『大学のときにお気に入りだったブラウスだから大事にしてね』と一言添えて、お渡しするようにしています。そうすると、お渡しした人にとってそれがストーリーの持つものになる。手放す、譲ることで循環するし、一石二鳥ですよね」
収納が少ない空間では、自分の性質に合わせて、収納方法やインテリアグッズをチョイスする。それも心地よく過ごすために大切なことなのだ。
旅で出会う、ストーリーのあるアイテム
フリンジのついたテーブルランプやレコード型の時計、ダイヤル式電話など、なかなかお目にかかれないレトロな小物たちが並ぶまちこさんの部屋。そのいくつかは、旅先で手に入れたそう。
「旅先でリサイクルショップや骨董市に行って、見つけたものを買ってきたり。『これ、あの店で買ったやつだ』『重くて、持って帰ってくるの大変だったな』とか、思い出を持たせたいんですよね。部屋の中にそういうストーリーを持つものを散りばめておきたいっていう気持ちがあって」
ビビッとくるものとの出会いも、旅の楽しみのひとつ。中でもお気に入りは、金沢で購入した青い花瓶。
「お年寄りのご夫婦がやってる骨董品屋さんに売っていて。チューリップとか入れて飾ったらきっとかわいいだろうなと思って買いました」
接客してくれたご夫婦との会話も楽しんだまちこさん。自宅に帰ってからチューリップにいれた花瓶を撮影し、ポストカードにして送ったそうだ。お店の方はとても喜んでくれたそう。
「旅先で偶然入ったお店、宿泊したゲストハウス…私は旅先で生まれる人間関係が好きで。それを求めて旅をしているところがあるのかもしれません。だからこそ、旅で出会った人たちの気配を感じるものだと余計に愛着がわいて、大事にしようと思うんです」
そうして部屋の中には、旅の記憶を持つものたちが増えていく。ジャンルレスであるのは、そのためでもある。まちこさんは、「自分の感性に合わせて、部屋は変化していくもの」というスタンスだから。
「同じジャンルのものを置き続けてると、世界感って変わっていかないと思うんです。例えば旅先で買ってきたものが部屋に合わないのは、自分の趣向が変化してるってこと。新しく入ってきたものに合わせていくことで、“今の” 私らしい部屋になるんじゃないかな」
NONDESIGNで描く、理想の部屋
自分の部屋を「アトリエ」として住まうまちこさん。好きなものに囲まれた部屋では、仕事やマイプロジェクトのアイデアがどんどん浮かんでくる。「NONDESIGN」で自分の空間をデザインするならば、どう描くのだろうか。
「今日訪れたNONDESIGNは、小さめの部屋がいくつかあったので、部屋ごとにコンセプトをがらっと変えてみたいですね。サイケデリック、ポップ、シンプル…ダークな感じもいいなぁ」
扉を開けるごとに、違う世界に飛び込める。その日の気分によって滞在する部屋を変えれば、きっと刺激的な毎日に。
「絶対欲しいのは、部屋がまるごとクローゼットの部屋。部屋をぐるりと囲むように洋服をかけて、真ん中にテーブルを置いて。その上にアクセサリーを並べたいですね。まるでセレブのクローゼットみたいな!」
まちこさんにとって部屋は、好きなものを集めたギャラリーであり、インスピレーションを働かせて創作活動を行うアトリエでもある。だからこそ「キャンバスは真っ白な方がいい」とまちこさん。NONDESIGNのように自由に表現できる場は、彼女にぴったりの住まいだ。
そんな理想の部屋にまちこさんが住んだならば、どんなアイデアが生み出されるのだろうか。きっと私たちが予想だにしない、新しい世界を見せてくれるに違いない。
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STAFF
[Text]
YUKARI MIKAMI