あなたの “好き” で、暮らしをデザインする「NONDESIGN」。
今回は白井真斗さんと莉子さんを招いて、NONDESIGNを舞台に理想の暮らしを表現してもらった。フォトグラファーとモデル、アーティストの側面も持つ2人。自分たちの好きを、家という空間でどんな風に表現しているのだろうか。
バルコニーでブランチしながら「今日は何しようか」
撮影を行ったNONDESIGNは、山が美しく見える場所に建つ。バルコニーに出ると、陽の光が差し込んで気持ちがいい。
莉子「海も好きなんですけど、大きい山を眺めるのもリラックスできてすごく好き。
外の景色が見えるバルコニーでブランチなんて最高ですね」
休みが一緒のときは、外出することが多いという莉子さんと真斗さん。どのようにして過ごしているのだろうか。
真斗「気になるカフェに行って過ごすこともありますが、最近は登山にハマって、山好きの友達たちと高い山に登ったりしています。2人で近所の山に登ることもありますね」
家では、お気に入りのカップにコーヒーを入れて、まったり過ごすことも。
莉子「ギャラリーや展示会をまわって、作家さんの作品を見るのがとても好きなんです。手にとって手触りとか、形とか…『あ、これ!』ってピンときたものを購入しています。
今、家にお気に入りのカップが6個ぐらいあって、『今日はどれにしようかな』って選ぶ時間が幸せですね」
お気に入りの作品を飾る、ギャラリーのような家
半年前に引っ越しをしたばかりだという2人。どのような視点で、2人は住まいを選んだのだろうか。
莉子「結婚前に住んでいた家がデザイナーズマンションで、おしゃれではあったんですけどいびつな形の間取りで少し住みづらかったんです。家の個性が完成されすぎてて、何を置いてもその雰囲気が消えなくて。だから今回はシンプルなデザインの家を選びました。
あとは夫がリモートワークになったこともあり、中心街から離れて自然が豊かな場所に住めるようになりました」
シンプルなデザインの家に置いたのは、2人の思い出の絵。
真斗「僕らが学生時代から憧れていた画家の西脇一弘さんの絵を、結婚記念に買わせていただきました。その方の作品は、何か記念にしたいことがあるときに、買うことにしているんです」
莉子「2人が同棲した時も、まず最初に大きな絵を買って、飾りました。家具も何も揃ってなくて、ダンボールを机代わりにしてご飯を食べてるのに、絵だけ飾ってあるという状態(笑)。
でも今だに大好きな絵なので、あの時無理してでも買ってよかったなって思います」
家具よりも、まずは大好きな絵を飾る。自分たちの“好き”という感性を大切にする2人だからこそ、つくりあげられる空間。
莉子「私はブランドの完成された美しさより、作家さんの想いがこもった一点物が好きです。
できれば展示会とかギャラリーに足を運んで話を伺って、その人柄にも触れて買いたいんです。そうやって作品と出会いを重ねて、少しずつ集めていくのが楽しいんですよね」
そんな莉子さんの感性を真斗さんも大切にしている。
真斗「機能性とか他のものとの調和よりも、自分の感性を大切にして選んでいるんだと思います。決めつけすぎると、首が閉まっちゃうし。買ってからどこに置こうかなって考えて、楽しそうに飾っているよね」
訪れるギャラリーのセンスを吸収して、家での作品の飾り方を工夫しているのだそう。
いつかは好きな作品を集めてギャラリーのようにしたい。それが2人の夢。
同じ表現者として、理解し合える関係性
自身もアーティストとして、アクセサリーブランド「morceau(モルソー)」を立ち上げた莉子さん。真鍮やシルバーを用いてつくる指輪やピアスは、日常使いできるシンプルなデザインでありながらも、見るたびに心をときめかせてくれる魅力を持つ。
莉子「元々ものづくりがすごく好きで、いつかは仕事にしたいと思っていたんです。そのきっかけになったのが、知人に教えてもらって始めたアクセサリーづくりでした。長く大切に使えるものをつくりたいという想いが強くて」
最近はアクセサリー製作は少しお休みして、陶芸の学校に通っているそう。
莉子「友人が陶芸の学校に通っている話を聞いて、やってみたいと思ったんです。先生に教えてもらいながら、大人になって学ぶ楽しさを感じています。最終的には、陶芸をもっと身近に、ライフスタイルに馴染む器や作品を作りたいですね」
真斗さんも本業のエンジニアの傍ら、フォトグラファーとして活躍。表現者であることも2人の共通点。
「僕たちの日常をカメラで写すうちに、フォトグラファーとしても仕事ができたらなと思うようになって。どうやったら仕事にできるのかなって考えていたときに、ウェディング関連の会社を立ち上げた知人に声を掛けていただいたんです。他にもインスタの写真をみて、アパレル撮影の依頼をいただいたりもしています」
自分の “好き” が何かを理解し、突き詰めていくことで、仕事にもつながっていく。
夫婦として、表現者としてそれぞれをリスペクトし合いながら、一緒に時間を過ごしてきた2人。
お互いのやりたいことを尊重し合うことで、長く、楽しく、心地よく過ごせるのだろう。
特別な日のお祝いも、好きを集めておうちで過ごそう
夫婦といえど、育ってきた、暮らしてきた環境は違うもの。お互いの違いを認めて一緒に暮らすために、どんなことを意識しているのだろうか。
莉子「友人カップルの中には、同棲をする際にルールを決めたという人たちもいましたが、私たちはルールを決めないことがルールなのかなって。
家事の分担も特にしてなくて。決めすぎるとお互いの負担になりすぎてしまう気がして」
真斗「苦手なことはできる方がやるし、一緒にできることは一緒にする。僕は料理が苦手なので、まかせっきりで申し訳ないんですが…。
だからこそ、してもらって当たり前だとは思わないようにしています。『おいしい』『ありがとう』は欠かさず伝えています」
真斗さんの誕生日には、なんと中華のフルコースを準備してくれたんだとか。お気に入りの作家さんの器が盛り付けられた料理やケーキの、おいしさと華やかさを活かしてくれる。
好きなものに囲まれて2人で過ごす誕生日は、きっと外食とは違った多幸感を感じられる。
あなたにとって住まうとは?
暮らし方や仕事、日常にまつわる素敵なエピソードをいくつも教えてくれた2人。
2人の目には、NONDESIGNはどう映ったのだろうか。
真斗「デザイン階段がまん中にあって、吹き抜けもあって、リビングもちょうどいい広さで…理想的過ぎて驚きました。でも家自体が主張するのではなく、自分たちの色でカスタマイズできるところが気に入っています。
将来的にはもう少し自然の豊かな場所で暮らしたいと考えているので、田舎ののどかな風景のなかでも馴染むデザインは、素敵だなと思いましたね」
莉子「理想はおうちをギャラリースペースみたいにしたいと思っているんです。建物がシンプルだからこそ、どんなものを置いても馴染むし、自分たちらしく表現できる。
どんな風にも遊べる家が理想だねって、今日は再確認できました」
作り手でもある2人にとって、家は真っ白なキャンパスであればあるほどいい。
そこから一緒にアイデアを出して、好きなものを置いて、少しづつ自分たちの色に染めていく。家も、夫婦が表現するひとつの世界なのだ。
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STAFF
[Text]
YUKARI MIKAMI