あなたの “好き”で、暮らしをデザインする「NONDESIGN」。今回はフィンランドの衣類や雑貨を扱うwebショップ「koti」(現在休止中)を運営している早川ちひろさんをお招きし、フィンランドのカルチャーやデザインを取り入れた暮らしについてお聞きした。フィンランドをこよなく愛す早川さんの考えるNONDESIGNでの暮らしとは。
旅を重ねるたびに好きになる。フィンランドを側に感じる暮らし
早川さんにとって、好きなもの。それは20代の頃から何度も訪れているフィンランド。食やインテリアなど、早川さんの人生には欠かせないものになっている。
「初めて旅行で訪れてからめちゃくちゃ好きになって、翌年には、1人で3ヵ月滞在しました。コロナになるまでは、年に2回ほど通っていましたね」
フィンランドの食や文化、テキスタイルやインテリアのデザインなどの魅力にハマり、自然と生活にも取り入れるようになったそう。
「フィンランドのテキスタイルは花や木など、かわいらしいモチーフも多いんです。でもあまりごちゃごちゃしていなくて、どんなデザインもおしゃれでセンスを感じる。私はその全部が好きやなって」
フィンランドの冬場は日照時間が少なく積雪も多いため、家の中で過ごす生活が長く続く。そのため、飽きのこないシンプルなデザインや、家で過ごす時間が楽しくなるようなテキスタイル が多く生まれたのだとか。
「昔から家の中で過ごすことがすごく好きなので、家の中を居心地よく、リラックスできる雰囲気をつくることを最優先にしていました。だからフィンランドの暮らしに対する考え方やデザインに、惹かれたのかもしれませんね」
歳月を重ねたアンティークの家具が好き
早川さんが住む家は白を基調とし、木の家具を中心に置かれている。シンプルでありながら、フィンランドのテキスタイルのテーブルクロスやベッドカバーが映える空間だ。家具は、日本製、海外製を問わず、アンティークで揃えている。
「古いデザインや歳月を重ねたからこその色合いも好きなんですが、これまでこの家具たちがどうやって過ごしてきたのかな、誰かに大事にされてきたんだろうかと感じられる物が好きなのかもしれません。まだ使えるものだし、なくしたくない、守りたいと思うのかも」
特に気に入っているのは、フランス製の長机と東京の古道具で購入した食器棚。
「長机は木彫りの立体的なモチーフがかわいくて。主にアンティークの絵や籐(ラタン)のカゴを置いています。食器棚は、両扉でデザインの違うすりガラスがお気に入りです。大好きすぎて京都に引っ越す時に連れてきました」
最近のお気に入りは、京都の平安蚤の市。電話台や、長机に飾られているアンティークの絵を購入したそう。蚤の市をめぐりながら、自分の感性に合うものをじっくりと探す時間も楽しそうだ。
NONDESIGNでは、早川さんの“好き” をリビングで表現。木の温もりを感じられるキャビネットの上にマリメッコの絵やドライフラワーを飾って、フィンランドのエッセンスをプラス。余白があるからこそ、“自分らしく” 飾れて、自分の“好き” が表現できるリビングなのだ。
形がユニークなイッタラのキャンドルホルダーは、早川さんの私物。フィンランドで購入した、色合いやデザインのかわいい絵本は、飾るだけで絵になる。
フィンランドの空気をまとう食器たち
家でのでの時間を大切にしているという早川さん。息抜きにおやつをつくったり、フィンランドの祭日には郷土料理をつくってお祝いしたり。中でも食事の時間をとても大切にしている。だからこそ、食事の時間を彩るテーブルウエアには、格別なこだわりがある。
「すべてフィンランドで購入した食器なんです。マリメッコ、ARABIA(アラビア)、iittala(イッタラ)がメインですが、大体アンティークですね。現地で購入することで、その土地の空気も持って帰ってこれるような気がして。より愛着が湧いて、大切に使えている気がします」
フィンランド料理は、現地の友人から送ってもらった砂糖やカルダモンを使ったシナモンロールや、息子さんもお気に入りのサーモンスープなどをつくるそう。食器は、料理を盛り付けたときにすっきりと見せてくれるデザインのものをチョイス。
「シンプルなチーズケーキなら柄物を選ぶ、お料理が華やかなら白いお皿というように、料理に合わせて器を選びます。テーブルに置いた時に物足りなければ、柄物の紙ナプキンなどをポイントにすることもありますね」
自分の好きな食器や小物で食事の時間を、さらに楽しくおいしく。これも早川さんの日々の生活を心地よく過ごす大切な秘訣だ。
家族と楽しむフィンランド時間
大好きな家具や食器に囲まれる暮らし。けれどお子さんが生まれてからは、安全面や機能性なども考えた暮らし方に変化。できる限り、自分の好きな空間を保てるように工夫しているそう。
「1歳ぐらいまでは安全面を考えて柵を置かないといけなかったので、それは大きくなるまで我慢しました。今は倒れたら危ないものや割れ物は絶対に手の届かないところに置くなど、安全面を考えながらも好きな空間を楽しむようにしています」
去年の9月には、息子さんと一緒にフィンランド旅行へ。1人で訪れるときとはまた違ったフィンランドの良さを発見できたのだとか。
「子育て支援が充実している国なので、ベビーカーに子どもを乗せていると、子どもも親も電車の運賃が無料なんですね。また男女平等の国なので、女性が働いていても、男性が育児をしても当たり前。そういう考え方がいいなぁって。私にとっては、第二の故郷とも言える場所なので、一緒に訪れるうちに息子も好きになってくれたら嬉しいですね」
あなたにとって「暮らす」とは?
愛してやまないフィンランドのデザインやカルチャーをとりいれながら、そこに自分のエッセンスをプラスし、自分らしい暮らしを楽しむ早川さん。そんな早川さんが、自由にカスタマイズできる「NONDESIGN」で暮らすなら、どんな風に楽しむのだろうか。
「普段は息抜きのために銭湯に行ったり、映画をみたり、編み物をしたりすることが多いんです。だから机と椅子だけを置いて、ゆったりと過ごせる部屋がつくれたらいいな。特に小さい頃から続けている編み物は、無心で没頭できるので、考え事からすこし距離をおける。私にとって大切な時間です」
天井が高く、ゆとりがある空間であることも外せないポイント。家族との繋がりが感じられる自然光がふりそそぐキッチンダイニングと、ほっとひと息つける自分時間も大切にできるリビング。
「我が家もキッチンとリビングダイニングは繋がってる状態なので、そこで自然に家族が集まり、団らんの時間が生まれています。だから、リビングは居心地の良さが大切。NONDESIGNのように自然光が入って、開放感のある空間は居心地がいいですね。あとはベランダでハーブをつくったりしながら、家族みんなで心地よく、リラックスして過ごしたいな」
フィンランド、アンティーク、テーブルウェアや編み物。流行り廃りに左右されずに、自分の“好き”を時間をかけて育てる。早川さんにとっての暮らしは、好きなことを家族と一緒に分かち合いながら、心地よい時間を過ごすことなのかもしれない。
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STAFF
[Text]
YUKARI MIKAMI