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2026.02.20

夫婦二人三脚で叶えた「ずっといたい」家|家づくりnote

白タイルのキッチン壁と木の質感が心地よい、野澤万里・好夫妻の「夫婦二人三脚で叶えた『ずっといたい』家」。円形テーブルを囲む柔らかな光と、愛犬との穏やかな時間が流れる空間は、細部までこだわり抜いたデザイン住宅です。UNSTANDARDが提供するNONDESIGNの住まいは、住む人の感性を尊重し、日々の何気ない瞬間を特別なものに変えていきます。規格住宅というスマートな選択肢をベースに、自分らしさを自由に描くライフスタイル。家づくりを通じた二人の絆が彩りとなり、まさに「LIFE IS COLORFUL.」を体現する温かな暮らしが広がっています。

夫婦二人三脚で叶えた「ずっといたい」家|家づくりnote

 

家を通して暮らしを楽しむ人の生活のアイデアや家づくりにまつわる情報を発信する家づくりnote。家とライフスタイルの関係性を探り、“好き”が詰まった住まいと暮らしを紹介します。

 

今回お話を伺ったのは(株)野澤工務店の野澤万里(ばんり)さんと、妻の好(このみ)さん。長く暮らした家をリフォームした現在の住まいは、妻の好さんと意見を出し合い、万里さんが自ら設計した。

限られたスペースの中に快適さを贅沢に詰め込んだ家は家族みんなが大好きな場所。


ずっと家にいたい!と思える住まい

リビングに入ると吹き抜けの大きな窓から日光がたっぷりと降り注ぐ。

南向きのリビングは今が冬だということを忘れるほど暖かく心地いい。

 

「極力家に居たい」と話してくれたのは、妻の好さん。

のびのびとしたリビングスペースにいると妙に納得してしまう。

建築士で大工でもある万里さんが、自ら数年前にリフォームした現在の住まいは、元は万里さんが育った生家だった。

結婚して家族が増えたことで、暮らしの不便さを感じるようになり、リフォームに踏み切った。

 

万里さん「水回りとか、洗濯動線とか、いろいろ暮らしにくいなと思うところがあって。でも一軒家に住んでいる状態で新しい家を考えられたからこそ、あまりミスなく考えられた気はします。2軒目とまでは言えないですが、1.5軒目の家、みたいな感じですね」

 

主に設計や専門的な部分は万里さんが、収納や内装については妻の好さんが意見を出して家づくりは進んでいった。

万里さん「建築的にNGではない限り、ほとんどNOは言わなかったですね。妻のセンスが悪いとは思っていないし、提案はどれも僕も好きな感じやったので」

 

好さん「いろんな現場を経験してきて引き出しをたくさん持ってくれてるので、こういうのしたい、ってアバウトに伝えると『じゃあこんなのどう』って提案してくれるのが楽でしたね」

 

限られたスペースの中で要望を組み立てるのは決して容易なことではないが、互いへのリスペクトがあったからこそ理想の住まいが形になった。

 

好さん「知り合いに『もっとこうすればよかったとか、ない?』って聞かれて考えてみたんですが、『ないなぁ』って。もう家から出たくないですもん(笑)」


リビング階段に置かれていた洗濯物

野澤家はキッチンや水回り、LDKなどの生活スペースが1階、寝室や家族の個室が2階にあるシンプルな間取り。

以前の住まいで解消したかったことを尋ねると、「洗濯動線」と万里さん。

 

万里さん「以前の家は1階で洗濯をして2階にしまう暮らしやったんですけど、それやと階段に洗濯物を置いてしまうんですよ。階段も狭くなるし、埃も溜まる。そこがどうしても嫌で」

 

脱衣場と兼ねたランドリールームでは洗濯から物干しまでが一箇所で完結するように設計し、洗濯物を畳むことができる作業台の下には大容量の収納も設えた。

さらに、ランドリールームの隣には3畳のファミリークローゼットも。洗濯から物干し、収納までの動線に無駄がない設計だ。

ファミリークローゼットは家族5人、それぞれのスペースがロッカーのように仕切られているのも大きなポイント。

 

好さん「絶対に兄妹喧嘩になると思ったんです(笑)なんでここに○○の物があんの?!って言うだろうと思って、どうしても仕切りたかった。あと、自分の持ち物が把握しやすくもなるので、これはほんとにおすすめです」

 

各々、自分の持ち物の量が分かりやすくなったことで、不要なものをため込むこともなくなり、断捨離にも繋がっているという。

 

好さん「とにかく片づけができない家族なので、それをどうにかしたくて。でもこの家になってから、片づけや収納が苦手じゃなくなりました」


キッチンもインテリアの一部に。テーブルとの統一感

家をリフォームする際に不安はほとんどなかったという好さん。

ただ、「少しだけ気になった」のがリビングの広さだったと話してくれた。

 

万里さん「20畳ないとリビングじゃない、なんて言葉も聞きますがこのLDKは16畳しかないんです」


ダイニングセットとソファを置いても野澤家のリビングはまったく狭さを感じさせない。

それどころか、広々と贅沢にスペースを使っているようにも見える。

万里さん「このL字キッチンが効いているんです。これがカウンターキッチンだったら今のソファの位置にダイニングセットがあると思います。建材もどんどん高騰しているので無駄なスペースはほんとうにもったいない。仕事で設計するときも絞れるところを常に考えてますね」

 

好さん「私も最初からL字キッチンがよかったので満足してます。すごい使いやすいですよ。食事しているときに調味料やお茶を取るのも楽やし、テーブルとシンクが近いから食後の片付けもしやすい」

 

万里さん「これは造作キッチンやから成立してるところもありますね。キッチンが部屋の一部になるというか」

 

好さんがヴィンテージショップで見つけてきたというお気に入りのダイニングテーブルはTHONET(トーネット)のもの。キッチンはこのダイニングテーブルに色を合わせて塗装したのだとか。

好さん「どうしてもテーブルと色を合わせたくて、倉庫に置いてあったテーブルと何回も『この色が一番近いんちゃう?』って確認してました。この机をすごく気に入ってて」

 

ダイニングテーブルとキッチンの色を揃えたことで空間がまとまり、すっきりとした印象に。また、空間に統一感を持たせたことで、ヴィンテージテーブルがより際立っている。


真冬でもあたたかく。三重窓が叶えた断熱と気密性

取材時は1月中旬だったにもかかわらず、寒さを感じるどころか暖かささえ感じられた野澤さんの住まい。

訊くと、その日はエアコンなどの暖房器具は稼働していなかったという。

 

好さん「私すごく寒がりで、いつも人より1枚多く着込んでたんです。でもこの家に住んでからトレーナーみたいな厚手のものって着なくなりました」

 

家をリフォームするときに暑さや寒さは絶対に解消したいと思っていた、と万里さん。
以前の家で悩まされた寒暖差も、現在の住まいではほとんど感じないそう。

万里さん「南向きの1階リビングと北向きの2階の子ども部屋でおそらく1度程度しか変わらないんじゃないかと思います」

 

野澤家のリビングスペースには大きな吹き抜けが設えてあるが、暖気は2階にこもることなく、一階まで暖かい。

 

万里さん「断熱と気密性を高めることで冷えた空気が家の中に入り込まないので、暖かい空気が上と下でうまく循環するんです」

断熱材はもちろんのこと、気密性の高い窓も断熱効率を最大限に引き出してくれている大きな立役者。

万里さん「窓はすべて三重窓なので、冷気が入り込まず太陽の力を借りて暖かく過ごすことができる。リフォーム用の内付の窓もあるので、『窓リノベ』で調べてみるといいですよ」

 

好さん「家を建てる人は絶対に断熱をしっかりした方がいいと思います。見えないところなので後回しになりがちですが、先々の光熱費が全然違うので」


世代を超えて長く暮らす家

空間を有効に使い、家事の負担を減らすことに成功した野澤さんの住まい。

日当たりのいいリビングは友人や親せきを大勢呼んでパーティーをすることも多い。

 

「家から出たくない」という好さんの言葉通り、家族にとって家は一番居心地のいい場所。

 

吹き抜けの上にあるセカンドリビングは子どもたちの友人がしょっちゅう集まっているという。

好さん「子どもたちも暮らしやすい家やって分かってるんやと思います。この家もうすでに子どもに狙われてるもんな(笑)」

 

野澤家のどもたちは、将来はこの家に住みたいと話しているんだとか。

気持ちよく暮らせる工夫はきっと子どもたちにも伝わっている。

 

それぞれに用意された収納や、心地よいリビング。好さんの提案で大きく造った洗面台には万里さんから「女の子たちが髪を結いやすいように」と大きな三面鏡が設えられた。

家族一人ひとりを思いやる小さなこだわりが散りばめられた空間は、大人になってもずっと居たい大切な場所に違いない。

 

生家をリフォームする際に万里さんが念頭に置いていたのは、「長持ちする家」。

万里さん「軒をしっかり出して雨から家を守るとか、壁の張替えが楽だとか、そういう工夫を施すことで3世代先まで暮らすことができるんです」

 

そんな未来を見据えた家づくりをしていた万里さんにとって、子どもたちに狙われる展開は願ってもいない誤算。

大切に住み続けることができれば、家は世代を超えて家族の歴史を刻む、かけがえのない財産になる。

野澤さんの住まいは、暮らしの先に連綿と続く家族との時間を想像させてくれる。
生きることは、大切な人と暮らすこと。そんなメッセージを受け取ったような気がした。


STAFF
[Text] SAE HANE