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2025.09.19

桒原さやかに「NONDESIGN HYGGE」での暮らしを想像してもらった|NONDESIGN HYGGE produced by Home Landick

桒原さやかに「NONDESIGN HYGGE」での暮らしを想像してもらった|NONDESIGN HYGGE produced by Home Landick

桒原さやかに「NONDESIGN HYGGE」での暮らしを想像してもらった|NONDESIGN HYGGE produced by Home Landick

 

北欧の文化や暮らしにじかに触れ、なにより心をとらえたのは、そこで暮らす彼らにとっての“当たり前”。それは、自分の手で、自分の家づくりをすること。住まいと自分は切っても切れない。そんな目から鱗の価値観やライフスタイルを日本で実践する桒原さん一家に、ヒュッゲをテーマにした家「NONDESIGN HYGGE」での暮らしを想像してもらった。


自然と街とのちょうどいい距離。

松本で暮らしはじめることに決めた理由について聞くと、それまで1年半暮らしたノルウェーとは打って変わって「晴れ」が多かったからだと、微笑みながら即答するさやかさん。じっさい、北アルプスに囲まれたこの地は、日本でもとりわけの晴天率を誇る。

 

さらに、さやかさんにとっては大学時代に暮らしたゆかりがあったこと、日本各地を巡り比べた結果、夫のオリバーさんとも意見が合致したこと、なども理由につらなるという。

 

「家の裏手は鬱蒼とした野山で、でも少し行けば街があってひとがいて。それは北欧と似ていたかな」(さやかさん)

 

「松本の市街地から坂道を上ると、もう別世界みたいな。距離はたいしたことないけれど、ここにいると、外の世界を忘れてしまうくらいです」(オリバーさん)

築40年の日本家屋には、どの窓からも青々とした景色が差し込んでいた。廊下とそれぞれの部屋を隔てる扉が取り払われてひと続きになった1階は、風通しがよく、子どもたちも自由に駆け回れる開放感が気持ちいい。

ダイニングとキッチンの窓の借景は、さやかさんのとりわけのお気に入りで、この青々とした季節を過ぎれば赤や黄色に彩られ、そして雪が降り積もる時季も格別だという。猫にたぬきに鹿、シジュウカラやジョウビタキといった鳥たちの行き交う様子も日常的に眺めることができるらしい。


家族でいると、家の話題が多い。

そんなダイニングとキッチンのFIX窓は、いずれも地元のガラス屋とオリバーさんが2人がかりで設置したもので、さらにオリバーさんが窓枠をあしらった。

また、ダイニングから通じる庭にデッキを造ったのも、元は洗面所にあった洗濯機置き場を隣の部屋に移し替えて洗濯部屋をしつらえたのも、いまはコーヒーの焙煎機小屋として使っているサウナ室も、家の裏手の家庭菜園も、さやかさんとオリバーさんがDIYした。

オリバーさんは、「家族でいると、家の話題が多いかもしれないね」とこともなげに言う。聞けば、住まいに自分の手を加え続けるのが、北欧ではごくごく当たり前らしい

「北欧のひとたちにとっては、お家は自分自身と同じみたいな感覚です。だから、だれかとちょっとでも仲良くなったらすぐに家に呼ぶし、トイレとかお風呂とか、そういう細かいところまで案内する。みんな、家に誇りを持っているんですよね」(さやかさん)

 

スウェーデン発祥のIKEAも、そんな北欧の人々にとっては、ただ家具を買う場所というよりDIY用のパーツを集めるところという感覚で、たとえばキッチン戸棚などもそのまま使わず、扉だけは好きなデザインのものをオーダーして付け替えるのが一般的。

それまでDIY派ではなかったさやかさんも、北欧でそうした文化にじかに触れ、またオリバーさんと実際に家を改装してみると、みるみる“そっち派”に心が入れ替わってしまったという。

 

「やってみるとすごく楽しいし、選択肢が増えて、家が膨らむというか。自分の手で住まいをいじれるっていうのは、いま、最大の楽しみです」(さやかさん)


理想の過ごし方から、形づくる。

では、どんな風に改装するか。その家づくりの発端は、ひとえに「そこでどう過ごしたいか」だという。

 

たとえば「子どもたちと一緒に夕陽を眺めながら、お酒を飲めたら……」という願いから、ダイニングを出てすぐにデッキをつくりトランポリンを設置。“理想の過ごし方”が明確になったとたん、家づくりがスタートする。

また、「子どもたちはきっとあっという間に巣立っていくと思うから、一緒にいるあいだは、たくさん喋れる環境にしたい」と思ったさやかさんは、テレビ中心にならない、自然と会話が弾む部屋づくりを心がけた。使わないときは、閉まっておけるホームシアターを導入し、リビングに円卓を用意したりソファを輪になって座れるよう配置したりしたのもそのため。

かたやキッチンは、夫妻が束の間ひとりになれる場所。子どもたちとも料理を楽しめる独立した作業台こそあるが、シンクやコンロは窓際で、「私もオリバーも、料理をするのがわりとストレス発散になるんです。そのときだけは『さよなら〜!』みたいな気持ちで、景色を見ながらやれると気持ちよくて」と、それも心地よく過ごす工夫だ。


「NONDESIGN HYGGE」での暮らしを想像してもらった。

北欧の文化や価値観を取り入れながら暮らすさやかさんに、「NONDESIGN HYGGE」での暮らしを想像してもらった。この家のコンセプトテーマは「ヒュッゲ」。それはデンマーク語で「居心地のよさ」や「楽しい時間」を表す言葉で、家族の親密なコミュニケーションを願うさやかさんの家づくりにも通じるものがありそうだ。

「キッチンやヌックなどの、ちょうどいい場所に窓があるのがいいですね」と、開口一番、普段から気持ちのいい借景を楽しむさやかさんらしい目の付け所。また、「ヌックは、子どもの友達が集まったらまっさきに駆け込んで、わいわい楽しく遊びそう」と、「NONDESIGN HYGGE」の特徴のひとつであるヌックは、子どもたちとの生活にも馴染みそうだ。

 

「キッチンとダイニングは横並びになっているんですね。料理しながら、家族の横にいられるのも楽しそう。パントリーがあるのも羨ましい……!」(さやかさん)

 

ちなみに、オリバーさんは大の中華料理好き。中華街や路地裏の小さな中華店を巡っては日夜研究を重ね、自宅には火力の強い専用コンロと特注の中華鍋を2つも揃え、そして毎日かならず昼食には中華料理を振る舞っているという。そんな中華料理も、このダイニングなら至近距離で楽しめる。

「ダイニングの上が吹き抜けになっているのもいいですね。ここも、大きな窓から光が差し込んで気持ちよさそう。じつはうちのダイニングも、天井を抜いて吹き抜けにしようか迷っていた時期があるんです」(さやかさん)

 

シンプルで温かみのある内装や家具も特徴だが、さやかさんは「子どもが生まれる前はこれくらいシンプルなのが好きでした。でもいまは、北欧テイストのクロスを貼ったり、大きなポスターを飾ったり、ルールに縛られず、ごちゃごちゃしていても楽しければいいと思っています」と、その内装を活かしながら自分たちらしくインテリアを楽しめる可能性にも思い馳せた。


住まいを“自分の延長”のように楽しむ。

家族を想って料理するのも、週末にお気に入りの服で出かけるのも、早起きした朝に近所をジョギングするのも、そして、住まいについて考え巡らし手を加えるのも、ひとえに同じ、地続きにある。

 

北欧の文化や価値観に触れ、そうした思いがけない気づきを得ることで、住まいを“自分の延長”のように楽しむ術とセンスを育んできた、さやかさんと家族たち。

 

未完でも半端でも、なによりもまず、自分たちのために自分たちの手で。遠い国から受け取った、その豊かないとなみを、伝え手渡してくれた。

桒原さやかに「NONDESIGN HYGGE」での暮らしを想像してもらった|NONDESIGN HYGGE produced by Home Landick

STAFF
[Text]

MASAHIRO KOSAKA(CORNELL)