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2025.03.28

昔ながらの意匠を活かし、中古物件をリノベーション|イエの探求

昔ながらの意匠を活かし、中古物件をリノベーション|イエの探求

昔ながらの意匠を活かし、中古物件をリノベーション|イエの探求

 

一番その人らしさが現れる家の空間。“好き”が詰まった“場”には、ちょっとした工夫や色合わせのこだわりが反映されているはず。そんなそれぞれ違った個性を持つ自宅の内装やインテリアについて話を聞いていく企画「イエの探求」。

 

大阪と京都、2つの都市を行き来しやすい場所に中古物件を購入し、3人家族で暮らすyumeさん。中古物件ならではの古い意匠を活かしながら、新しいものと組み合わせ、自分たちらしい住まいをつくりあげた。好きなものに囲まれ、心地よく暮らせるyumeさん流マイホームのつくり方とは。


一軒家に憧れて

「これまでアパートやマンションで暮らしていたから、一軒家への憧れがあったんです」。yumeさんが家族で住む家を探し始めたのは、そんな想いからだった。もともと物件情報サイトを見るのが好きで、何気なくチェックしていたところ、近所に手頃な中古物件を発見。気になって内見してみたところ、「マイホームを持つのもいいかもしれない」と考えるようになったそう。

 

yumeさんは京都の左京区出身。結婚を機に、大阪と京都の府境にあるエリアに移り住んだ。

 

「夫が独身のときに働きながらバンドをやっていたので、京都と大阪のライブハウスどちらにも行きやすい樟葉(くずは)で一人暮らしをしていました。このあたりは大きなショッピングモールもあり、暮らしやすいエリアなので、結婚後は私がこちらに来て一緒に住むことになりました」

 

マイホームを考える中で、新築の建売物件もいくつか見学。新しくきれいな内装は魅力的だったものの、どこか自分たちの暮らし方には合わないと感じたそう。そこで、最初からリノベーションを前提に中古物件を探すことに。内見を重ねるうちに、自分たちがどんな家にわくわくするのかがわかってきた。

 

「ここがいいと思える理想的な物件が見つかったので、リノベーションをお願いする工務店を探しました。工務店も決まり、契約を進めようとしたタイミングで、別の方の購入が決まってしまって…。お願いする予定だった工務店は不動産業もしていたので『それなら一緒に探しましょう』とお声がけいただき、改めて家探しを始めました」

工務店と一緒に家探しをしたことで良かったのは、一番の希望だった「LDKを広く取りたい」という点が叶えられる物件かどうか、耐震基準を見たしているかなど、自分たちの理想の基準をクリアしているかを確認しながら内見できたこと。

 

「今の家はリビングの入口のアーチや階段の手すりなどの意匠が気に入って、ここにしようと決めました。せっかくリノベーションをするなら古い意匠を残したかったので、『ここは残したい、ここは新しくしたい』など相談しながら内見できたのは心強かったです」


絵に描いて伝えることで空間のイメージを共有

ようやく理想的な物件を見つけられたものの、いざ考え始めるとリノベーションの具体的なイメージが定まっていないことに気づいたそう。

 

「漠然としたイメージしかなく、それをどうやって空間に落とし込むかたくさん悩みました。特に、設備や素材に関してはほとんど知識がなかったため、何を使うべきか決めるのが難しかったですね」

 

工務店と打ち合わせを進めていく中で、イメージを絵にして伝えることもあったそう。

 

「中古物件のリノベーションは、新しくする部分と残す部分をどう合わせるかが悩ましい点でした。とくに洗面所は、工務店も造作を担当した経験が少なかったようだったので、イメージを絵で書いて共有しました。具体的にイメージを共有できてからは、一気に話が進みました」

 

特に大変だったのは床材を決めるとき。リビングとキッチンが一体になっているため、床材は部屋全体の印象を決める大きなポイントになる。

 

「床は無垢材にすることは決まっていたのですが、どの木を使うのかなどたくさんの種類の中から選ぶのが大変でした。ようやくチーク材にしようと決めたものの、手入れ面などを考慮してウレタン塗装が施されているものが多かったんです。せっかくなら本来の無垢材の風合いを感じられるものにしたくて、自分たちでも探してようやく理想的な素材に出会うことができました」

 

キッチンは、空間を広く使用するために壁付けを選択。リビングから丸見えになってしまうため、素材はきれいを保ちやすいステンレス素材をチョイスした。食器はパントリーに収納し、調味料や調理器具は引き出しに収納。スッキリと美しい印象のキッチンになっている。

また、大きな一つの空間にキッチン、リビングの機能があるため、「食事をする場所、くつろぐ場所、仕事をする場所」と意識的に住み分けるようにして、一つの空間の中でも気持ちを切り替えられるように工夫している。

 

「ブログの更新やSNSの投稿、動画編集などの仕事は、収納と壁の間の空間にテーブルを置いた場所を作業スペースとして使っています。最近は部屋にサイドテーブルとソファを追加して、そこでも作業や趣味の刺繍をできるようにしました」


夫婦の趣味を反映したユニークな雑貨のコレクション

部屋のスタイリングのテーマとなったのは、ミッドセンチュリー。実はこれは夫婦で互いに好きなものを譲歩しあった折衷案なのだとか。

 

「私も夫も経年劣化していく古いものが好きという点は同じなのですが、私は迎賓館のような雰囲気、夫はもっとシンプルなものが好み。二人の好きなものを考えて辿り着いたのがミッドセンチュリーでした。京都のアンティークショップ『70B』でキャビネットを購入し、それを中心にインテリアを決めていきました」

ストライプのレトロなソファは、奈良の『VINTAGE GARDEN』で購入。

「ソファが置いてある場所は、もともと出窓兼収納だったんですが圧迫感があったので取り壊しました。その空間に収まるソファを探していたところ、SNSで見つけて。一目惚れだったんですが、サイズもちょうどよくて、迎えることにしたんです」

 

部屋に置かれたイスは、あえて種類を揃えず、好きなデザインを購入しているそう。


「イスは夫の趣味ですね(笑)。気に入ったものがあれば購入しますが、個数はあまり増やさないようにしていて、増えた分は売るようにしています」

 

イスも含め、インテリアはどんどん入れ替わる。選ぶ基準は「用途不明だけれど、惹かれるもの」。リサイクルショップや古道具屋、ギャラリーなどで見つけてきた、ユニークな小物たちが置かれている。

 

最近購入したのは、京都の『 ITOU(イトウ) 』というお店で買ったニョロニョロ棒。いろいろな場所に置いたり吊るしたりして楽しんでいるそう。

 

 「夫もユニークなものが好きで、センスは似ているけどちょっと違う感じがしますね。私は民族的なものが好きなこともあり、電源を入れると光って、さまざまなお経が流れる『ブッダマシーン』を購入したんですが、夫は『なんでこれ買ったんだ』と首をかしげていました(笑)。それぞれが好きなジャンルのものを置いても雑然とならないように、棚はシンプルにして、物を増やさないように気をつけています」


理想は光の陰影を楽しむ家

リノベーション後も住みながら手を加え、より快適に過ごせるよう改善を続けているそう。今の悩みはすきま風。冷気が入ってくる窓枠にガラスを直接はめ込み、障子を取り付けるなどの対策を考えているとのこと。

中古物件ならではの良さや難しさを経験した今、もし新たに家を建てるならどんな住まいを望むのだろうか。

 

「北側に暗くて狭いアプローチがあり、そこを抜けると窓が大きくて明るいリビングが広がる。そんな空間が理想ですね。京都の路地にあるお店のように、光のコントラストを楽しめる空間が好きですね」

 

もしNONDESIGNシリーズの家に住むなら…と選んでくれたのは「BUNGALOW by WOOD BOX」。いつか湖畔に住んでみたいという思いもあり、景色が見える大きな窓に魅力を感じたそう。また、無垢材を使ったフロアもポイントが高いとのこと。

 

「年齢を重ねたら平屋に住んでみたいですね。BUNGALOWは平家なのに天井が高くて、快適に過ごせそう。庭で花や野菜を育て、湖畔を眺める。自然に触れる生活を送ってみたいですね」

WOODBOXシリーズ“BUNGALOW”

中古物件を舞台に、理想の住まいを形にしているyumeさん。住みながら手を加えつつ、家族がより心地よく、より楽しく過ごせる空間に育てている。受け継いだ空間を慈しみ、味わいながら変化させていく。それがyumeさんの家との関わり方だ。

昔ながらの意匠を活かし、中古物件をリノベーション|イエの探求

STAFF
[Text] YUKARI MIKAMI