大きく開けた窓と、三角屋根が特徴的なかわいらしい外観のNONDESIGN HYGGE(ノンデザイン ヒュッゲ)。日がたっぷりと差し込むリビングでは家族団らんが楽しめ、玄関脇に設けられた出窓のようなヌックはくつろぎ感抜群。吹き抜けが空間をつなぎ、家族それぞれが別の場所にいても一体感を得ることができる、ちょうどいい距離感が心地いい住まい。
今回、圷みほさん、夫のしょうたろうさん、娘のめいさんご家族をNONDESIGN HYGGEにご招待。家族みんながつながりながらも、それぞれが好きなことを楽しむ住まい方をのぞかせてもらった。
毎日の小さな幸せを大切にする、みほさん一家の暮らしへの思いが伝わってくる。
経年変化を楽しめる器や家具、好きなものに囲まれた暮らし
現在、自分たち好みの建材や間取りを取り入れた、フルリノベーションのヴィンテージマンションに住む、みほさん一家。そこは古い家具や雑貨など、みほさんたちが本当に好きだと思えるものが集まった、こだわりの空間でもある。
家は大切な人と心地よく過ごせる“幸せな場所”。だからこそ、妥協をせず目で見ても使っても気持ちいいと思えるものだけをチョイスしている。
そのルーツは子どもの頃に遡る。幼いときから人と同じものを持つのが嫌だったというみほさん。アンティークやヴィンテージには1点ものが多く、流行りに関係なく、自分の感性だけで選ぶことができる。カゴも大好きで、キッチンではお菓子のカゴや布巾のカゴ、あまり使わない食器などを入れるカゴなど用途別に活用している。
みほさん「好きなものが自然にミックスされた状態が、私にとっては一番心地いい。そこは妥協せずに楽しんでいきたいと思っています」
大事な家族と暮らす空間だからこそ、気に入ったものだけに囲まれ、毎日を機嫌よく過ごしたい。経年変化を楽しめる自然素材の古家具や器、いくつものカゴは彼女の心を満たす、大切なものでもあるのだ。
気に入ったものを長く使い続けるためにはメンテナンスも大事。みほさんが日常的にしているお手入れ方法も教えてもらった。
みほさん「実は掃除などはそれほど得意ではないのですが、木製品のお手入れをするのはすごく好き。オイルが馴染んでいく様子や、買ったときと比べてどんどん色が変わっていくのを見ると愛おしくなってきます。私は家具でも器でもクルミオイルを使っていて、カサカサしてきたな、と思ったらオイルを含ませるようにしています。特に器は月に一度か、2、3カ月に一度は必ずやっています。ただ、器の場合、唐揚げや餃子など油物の料理をのせるだけでもメンテナンスになります。ちょっとカサついてきたから今日は揚げ物にしようかな、と器の状態に合わせて献立を考えるのも楽しいです」
たくさんあるカゴも、中身を入れ替えるタイミングできれいにする。
みほさん「カゴはどうしても埃がたまりやすいので、しょっちゅうではないですが、入れ替えるときにささっと拭きます。また、夏は虫除けとしてハッカオイルを薄めたハッカスプレーを作るのですが、それをカゴにもシュシュッとかけて乾かしておく。虫がつく予防にもなります。爽やかな香りも気持ちいいので、これも好きな作業です」
キャンプやひとり時間は、家族との絆を深める大切な時間。
みほさん一家の共通の趣味はキャンプ。特に冬キャンプが好きで、シーズンになると月2回は出かけるという。大きなテントにこもってみんなでゲームをしたり、配信映像を見たり。家族がギュッと集まって、一緒にゴロゴロしながらゆったりするのが醍醐味だそう。
みほさん「うちは3人家族なんですが、友達同士みたいな感じなんです。パパと娘もいつも一緒に遊んでいる。だからキャンプもみんなでワイワイするのが目的。友達家族と行くことも多くて、そのときは子どもは子どもたちで駆け回って遊び、大人は座って食事やお酒を楽しむ、というふうにゆったりと過ごします。あとは観光したり、おいしいものを食べたりと、だいたい1泊か2泊で出かけます」
そうやってみんなで集まって過ごすのも大好きな時間だが、みほさんはひとりの時間も大切にしている。
みほさん「早朝の散歩もそのひとつ。真夏と真冬以外は5時半に起きて、6時まで散歩に出かけます。朝日を浴びるだけで気分がよくなるし、リフレッシュして1日のスイッチが入る。娘が6時半に起きるので、その後の30分も自分タイム。朝のほうが頭がすっきりしているのでメールに返信したりなど、30分だけでもけっこうやれることがあります」
夜になると、娘が眠ったあとにハーブスチームキットを使ってヨモギ蒸しをすることも。
みほさん「疲れたときはハーブスチームで無になります。1時間くらいスチームをしてお風呂に入るとずいぶんリラックスできます」
また、曜日によってやることを決めているのも、みほさんのルール。
みほさん「基本的に一人で店をやっているので、オンとオフのつけ方が難しいんです。どういうやり方が自分に合っているかいろいろ試した結果、曜日で区切るのがもっともしっくりきました。水曜日は何も仕事をせず、好きなことだけをする。木・金曜は逆に仕事に集中する。そうするようになってからスケジュールが組みやすくなりましたし、今、やらなければならないことの整理もつきやすくなりました」
ひとりの時間があるからこそ、より家族との時間を楽しめる。そのちょうどいいバランスが、みほさんを健やかな笑顔にしてくれている。
NONDESIGN HYGGEで過ごした 1 日を振り返って
みんなの時間もひとりの時間も愛おしいという、みほさんとしょうたろうさんにNONDESIGN HYGGEで過ごした感想を伺ってみた。
しょうたろうさん「すごく合理的な家だと思いました。廊下がなくてリビングとキッチンが回遊できる。使いやすい動線で、空間も広く感じます。僕らはあってもなくてもどちらでもいいものだったら、なくていいという考え方。廊下はなくてもいいものだし、ベランダなども本当に必要なのか、と考えるのが好き。その点、余分なものがないNONDESIGN HYGGEは、僕たちの嗜好に合っています」
みほさん「機能を削ぎ落としたほうが実は使いやすいので、引き算って大事。私はヌックがよかったです。お客様が来たときの寝室にできそうだし、扉を閉めれば個室になって仕事もできる。うちにも小上がりスペースがあって、お客様が泊まるときはそこに布団を敷いてカーテンで囲うのですが、そこまでプライバシーは守れない。その点、ヌックはプライベート空間にできるのがいいですね。もし、これが家にあったら、家族みんなでお昼寝したり、ゴロゴロして過ごしそう」
しょうたろうさん「自分たちでこうしたい、という好みがすごく強いので、一から新築にするか、中古でもリノベーションをすると思います。家の造りも人と被りたくない、という思いがあるんです。NONDESIGN HYGGEもいろいろ自分たち好みにカスタマイズができるとのこと。それは嬉しいですね」
みほさん「子どものときは戸建てで暮らしていたので、一軒家の良さも知っています。いずれ、一軒家に住んでみるのもいいな、と思っています。平屋でもいいし、娘が階段に憧れているので2階建てもいいなあって」
さらに、2階にいても声が届く吹き抜けも気に入ったポイントだったいう。
みほさん「天井が高いと開放感があって気持ちいいですね。全体的に距離感がちょうどいい。例えばヌックとキッチンと2階の部屋など、家族がそれぞれ違う場所にいても離れすぎない。同じ空間を共有する気配は感じられるけれど、自分の時間ものびのびと過ごせる。そのつかず離れずの具合が絶妙だと思いました」
もし、一軒家に住むならば広すぎない、どちらかといえば狭い家に住みたいというのは、2人の共通意見。
みほさん「掃除が楽なのと、ものを持ちすぎない生活をしたいんです。今の家の前に住んでいたアパートに収納がたくさんあって、引っ越しをするときにいらないものがたくさん出てきた。それを処分するのが大変だったし、必要なものが見えているほうが暮らしやすいと思うんです。NONDESIGN HYGGEも広すぎないけれど、間取りに工夫があって使いやすい。収納もありすぎず、少なすぎずで、ほどよいと感じました。特にキッチンのパントリーは一目でどこに何があるか見渡しやすいし、大きさも私に合っていると思いました」
1階には光がたっぷりと入る開放的なリビングダイニングに、子どもと一緒に料理ができるキッチン、そして、ゲストルームにもなるヌックを設置。2階は子ども部屋や寝室といったプライベートな空間に。家族みんなで集える場所も、ひとりで好きなことができる場所もあり、今後、家族のあり方が変わってもさまざまな使い方を工夫できるフレキシブルさもある。合理的な動線で、家族の程よい距離感を保つことができ、家に合わせるのではなく、自分たちで住まい方をつくっていける。それが、NONDESIGN HYGGEの魅力でもある。
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STAFF
[Text]
三宅和歌子
|出版社を経てフリーの編集者に。雑誌など紙媒体を中心に編集・執筆を行う。旅と猫が好き