植物に囲まれて日光浴をしたり、夕暮れを見ながらお酒を楽しんだり。ひと手間加えれば、そこは日常の疲れを癒すくつろぎの空間に生まれ変わる。
前回 に引き続き、「NONDESIGN」で楽しむグリーンディスプレイの楽しみ方を紹介。今回は植物の置き場所や育て方についても詳しくお伝えする。モデルを務めてくれた田中陸さんは、「植物を育てることが息抜きやリラックスにつながっている」と言う。田中さんのおすすめの植物や鉢の選び方などにも注目!
植物の育て方や、ディスプレイ方法を学び、自分だけの空間を彩ろう。
植物で部屋に彩りを添える
NONDESIGN編集部のおすすめは、小ぶりな葉っぱが特徴の「シマトネリコ」。日差しに強く、通年で屋外で育てることができるため、初心者にも育てやすい植物。根元から複数の幹が立ち上がっているので、1鉢あるだけでもにぎやかな印象になる。大きく成長するため、庭のシンボルツリーにもぴったり。 和風、洋風どちらのテイストにも合うため、 あらゆるインテリアになじみやすいのも◎。どの植物を買おうか迷っている人は、まずはシマトネリコから始めてみよう。
次におすすめしたいのは、葉の表情がとてもやさしく、空間のアクセントとなってくれる「ベンジャミン」。ベンジャミンの葉は、斑入りや波打ったものなど品種によってさまざまな模様や色があるため、自分好みのものを選ぶのも楽しい。春から秋にかけては屋外で、 冬は温かい室内で育てよう。
田中さんの最近のお気に入りは、サボテン。一見、何の変化もないように見えるが、実はゆっくりと成長している。長く付き合う人にだけ、見せる姿に魅力を感じているのだそう。
「たまたま街を歩いてたときに、ある家の前にサボテンが置かれているのを見かけて。きっと10数年、この家に置かれているであろうサボテンが、『なんだかいいなぁ』と感じたんです。その家で長く育てられ、家の一部のようになっている植物が実は一番素敵なんじゃないかなって思えてきて。僕も一番長い付き合いなのは、サボテンなんですよね」
のびのびと成長する植物たちと心地良く暮らす
せっかくお気に入りの植物を購入しても、置き場所や育て方によっては、環境に耐えられずに枯れてしまうことも。
日当たりや水やりの頻度などお手入れ方法を知り、植物が快適に過ごせる環境をつくってあげよう。
屋外に観葉植物を置く際にチェックしてほしいのが日当たり。直射日光に当たり過ぎてしまうと葉焼けや水切れを起こしたり、鉢の中が蒸れて根腐れをおこしたりすることも。すだれを設置して日陰をつくる、午後は室内に戻すなど、直射日光が当たりすぎないように工夫をしよう。品種によっては、日照不足にも注意が必要だ。
水が少なすぎると水切れを起こし、多すぎると根腐れして植物が枯れてしまうこともある。 種類や品種によって水を吸収する量が違うため、購入時に水の適量を必ずチェックすること。水をあげる前に土を触って、乾き具合を確かめてから水やりをしよう。
田中さんは、全部で50種類ほどある植物たちの様子をみながら、水やりなど手入れをするのが毎日のルーティンになっている。
「病気していないかなど様子を見ながら、お水あげるだけで1時間ぐらいかかります。特に成長が速い夏場は植え替えなどもするため、1日がかりになることもありますね」
以前は、珍しい植物を揃えることや数を増やすことに注力していたそうだが、今は自分の生活リズムに合う観葉植物や多肉植物を多く育てているそう。田中さんのように、自分の生活スタイルや手入れができる時間帯なども考慮して、植物を選ぶことも大切なのだ。
昼と夜で植物の表情の違いを楽しむ
バルコニーやベランダなど、屋外で植物を楽しむのもおすすめ。植物の特性に合わせて日当たりや風通しなどを考慮して配置を決めよう。小柄な植物は、棚やラックの上に置くようにすると水やりなど手入れがしやすく、見栄えもいい。時間によって日当たりが変わる場合は、植物を動かせるように空間に余裕を持たせよう。
夜はガーデンライトでバルコニーを飾り付け、夜風と自分を楽しむ空間をつくろう。季節によってさまざまな表情を見せる植物たち。ガーデニング用のライトを用いることで、 光により植物の陰影を楽しむことができる。 インテリアや植物の色味に合わせて、電球色をチョイスすると空間の雰囲気がぐっとあがる。
音楽を聴きながら過ごすのもいいけど、たまには静かな空間の中で夜風で、揺れる葉の音に耳をすませてみる。まるで植物と会話しているような、心も体もチルアウトできる時間を過ごすことができるだろう。
田中さんは、過去に植物を扱うお店で働いていた経験もあり、植物に対する知識が豊富だ。植物は「自分を楽しませてくれるための大切な存在」と想うからこそ、置き場所にも独自のこだわりがある。
「最初から置き場所を決めるのではなく、部屋を見渡したときに『ここかも』と感じた場所に置くんです。これまでの経験もあると思うんですけど、植物が居たいと思う場所を直感で選びます」
鉢や小物類も植物に合わせて選ぶそうだが、なんと一個の鉢を選ぶのに1ヵ月かかることも!
「葉っぱや枝の色、形とのバランス、あと植物にとって心地よいものかどうか。その総合的な面が全部一致したら購入します。実は鉢には、陶器、プラスチック…と材質がたくさんあるんです。植物を連れて帰ることが決まると、まずは鉢探しが始まります」
自分だけの空間で植物とともに過ごす暮らしを
葉植物を育てるのは、少しハードルが高いと感じる人もいるかもしれない。けれど、ひと手間かけてつくった空間は、まるで小さなオアシスのような、あなただけのフェイバリットプレイスになる。 あなたもぜひ植物を彩り、自分だけのくつろぎの空間づくりに挑戦してみよう。
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STAFF
[Text]
YUKARI MIKAMI